ピアニストの妊娠、出産について   

結婚編に続き、「出産」問題です。






子供を願うか、子供のいない生活を選択するか。
これは私にとってさらに大きな問題でした。




特に女性には年齢の制限もあります。
本格的に働き始めたのは帰国後、30歳になってから。
結婚してからは仕事が、ピアノが益々楽しくなって。
あれよこれよという間に40歳が近くなってきて。
(40歳という年齢を区切りにしようと自分で思っていました)






本当にありがたいことに、次の年の本番日程が決まっていたり、
やりたいことは増えていったり
無責任なことはしたくない、という想いが強く。
子どものことは後回しに。。






結婚してから、ふとした瞬間に思い返しては考えていましたが
まだその時は考えるだけで、実際に子供がいる生活が想像できませんでした。





子供のいない夫婦二人の生活をしていく選択も視野にいれて
本当にそれでいいのか自問自答しながら
もちろんだんなさんと話しながら





ここでもあの言葉がつっかえていました






女性ピアニストは結婚するとダメになる





そしてさらに





女性ピアニストは子供を持つと(出産すると)もっとダメになる





ずっとこの言葉がこだましていました。






ある時、自分が一区切りにしようと思っていた年齢が迫ってきているのを感じつつ
ふと、自分の思い描く将来を想像してみました。






60歳、70歳になった時の生活、どんな人たちと一緒にいたいか






この時、急に今までと違う感覚がふってきました。






あーー夫婦二人だけではないかもしれない。
子どもが欲しい。






と。





怖かったのは、誰かに迷惑をかけること
怖かったのは、自分のピアノがおろそかになってしまうこと





結局「自分」を守りたいだけだったのだと。
結局「自己実現」が第一優先になっていただけだと。
なんだ、超わがまま。。。苦笑






そこを乗り越えられるか、乗り越えられないかは、
それこそその後の自分次第だと気付いたのでした。







子どもが欲しいと願うこと、子どもがいない生活を選ぶこと
どちらもその人の選択。
どちらが良いとか悪いとかそういう問題ではない。
それはピアノ弾きでなく、世の中の女性の全てに共通しています。






一つだけ心していたのは、子どもが欲しいと願った時、
もしかしたら年齢的なものや何かで思うようにいかないこともあるかもしれない。
その時にはあまりへこまず、夫婦二人の生活を楽しんで生きていこう!
そうだんなさんと話しをしていました。







妊婦生活の中で、沢山の方に助けられてきました。
特に初期、中期の頃は精神的にも不安定で。
これで良かったのか。。
色々あったにも関わらず、一生懸命生きようとお腹の中で生きようと頑張っている子に対して
そんなことを考えてしまう自分を最低だ、と責めました。。







そんなとき、一緒にお仕事している先輩音楽家の先生方から頂いた言葉で救われました。







妊娠は慶次ごとなのだから、もっと堂々としていればいい。
(申し訳ないという想いが強くて、誤ってばかりだった時に)






どんなことにも対応してみせるから
(まだ不安定な時期に妊娠を初めて報告した時に)






「命を授かり育む」こんな素晴らしいことが他にあるでしょうか?
(衝撃的にすごい言葉だと目が覚めました)







堂々と子どもを産んで育ててください。
ほんの少しの間周りがフォローするのは当たり前のことです。
(いろんな意見があることを身をもって知って落ち込んでいた時に)






他にも沢山いろんな言葉をいただきました。
同じ音楽家の先輩から頂いたこのような言葉は忘れられません。
そして、自分の人間の小ささを実感し
こうした先生方の懐の大きさ、人間としてのスケールにあらためて尊敬の念と感謝の想いを強くしました。






普段からこうした先輩方と音楽を通じて同じ時間を過ごせる。
出会った人によって、人は成長することができると常に思っていたけれど
尊敬できる先生方とお仕事できて本当に幸せだと。
今回の件でさらにその想いが溢れました。







もちろん、音楽家の先輩先生方だけでなく、他にも沢山!!
多くのアドバイスをいただきました。
普段、頻繁に会っているとか、会っていないとか関係ない。
メールでも、その人の暖かさや本気の人間性みたいなものが充分伝わってきます。
こんなに素晴らしい人達に囲まれていることに、お腹の中の赤ちゃんが気づかせてくれた。
どれだけの宝物をあらためて実感したことか。






あーー書いていて涙がでます(泣笑)






もちろん、世の中にはいろんな意見の方がいらっしゃいます。
みんなそれぞれの価値観を持ち、懸命に生きています。
これを読んで「甘い!!」と思う方もいらっしゃると思うし
「信じられない」と思う方もいらっしゃるかもしれない。







でも、私は自分の周りにいる懐の大きな、人間味溢れる大切な人たちを大事にして生きていきたいと思います。
そう思わせてくれたのは、お腹なかで懸命に生きようと頑張ってくれた赤ちゃんのおかげでもあります。







産休に入り、毎日伺っていた合唱団の仕事がお休みになり、ちょっぴり寂しかったり。
でもまた元気に復帰できる日まで、今目の前のこと、頑張ります!






仕事を持つ女性の「妊娠」「出産」
きっとこれからの世の中、まだまだ大きな課題として注目されていくことと思います。





まずは自分の気持ち、人生と向き合うこと
そしてだんなさん、パートナーとよく話すこと
選択はそれぞれです。






私はこれからが大事だと思っています。
上記、悩まされた言葉にどれだけ食らいついていけるか。
これからの生き方を皆さんに見ててもらえるよう
模索していこうと思います。





そして、いつの日かこのお腹の子が





「この世に生まれてきて良かった」





と思ってもらえるような人生のサポートができたら最高だな、と思っています。





音楽、ピアノ、そして家族




自分の選択と人生。
あとは努力次第。



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by chikako-kokachi | 2019-01-08 13:15 | 音楽 その他

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