音楽でお腹いっぱいにならないけれども。   

この1週間、新聞には多くの記事。
今日の日経新聞朝刊を読みながら、目が沁みてきました。
もう5年。
今日も様々なホールで復興コンサートが開催されます。


あの日から数日間、音楽なんてちっぽけなものだ、と思っていました。
お腹もいっぱいにならないし、寒さもしのげない。
何の為に音楽が存在するのか考えました。




考えながらも、その時は、合唱団の練習、レッスン、キャンセルにならなかったお仕事に一生懸命向き合いました。音楽を中心に人が集まっている、そして共に音楽を奏でる時間を過ごす。いつもの日常がなんて大切だったのだろうと気づいた日々でした。



人類の歴史の中で、絵や音楽等、直接的に人の“生きる”に関わりのない、と思われる芸術が、何故絶えずこうして存在し続けているか。あの日以降、たまに思い出したように考えます。



絵や音楽は人間にとって必要か?
人が何かを生み出す力は、生きるに繋がる。
生み出した作品自体がその人が生きた証。



宇宙からみたらちっぽけな地球で、地球からみたら本当にちっぽけな人間が、自分の中から何かを生み、表現する。広い視野でみたら、どうでもいいくらい小さなことなのに。。。それでも、絵や音楽が生まれる、ということはそんなちっぽけな人間が生きた、人の生き様、そのものなのではないか。



以前のブログでも書きましたが(こちら)、日経新聞の「私の履歴書」11月に連載していた画家“絹谷幸二”さんの言葉。


“美しいものは命を守る”
“芸術こそ人生。人生こそ芸術”

(最終回の記事より)


...........と。。。。
どんな綺麗な言葉を並べても答えは分かりません。
ただ、自信を持って言えることが1つ。


今をしっかり生きよう。


これだけです。
いつ何があるか分からない日々。
ピアノに向かって、色んな方とお会いして、様々な世界を感じて、ただ今を精一杯生きるだけ。ピアノでお腹はいっぱいにならないけれども。


まとまりのない文章になりました。
考えはまとまらないけれど、やっぱり私は音楽に力があると信じたいです。



興味深い対談本がありました。
合気道家、僧侶、コーチ、医学者の4名の皆さんそれぞれと、著者の科学者である前野隆司さんとの対談本。


いくつも感銘を受けた言葉があるのですが、その中でも、無意識対談4の東大病院循環器内科助教の医師・稲葉俊郎氏との対話は特に興味深かったです。


本の中で稲葉さんはこのようにお話になっています。(本より抜粋)



......古事記や万葉集や風姿花伝を読んでいて、突然わかったんです。日本においては美が医療の役割を果たしていたんだと。..........

......古事記や日本の古典は、かなしみや死などの受け入れがたいものをなんとか受け入れようとするとき、和歌の交換がおこなわれたり、舞いがはじまります。葛藤がいきなり美に芸術に昇華されてしまうんです。........




人が、感情、想いを受け入れる為の表現手段が“美”や“芸術”であったと。
もちろん日本に限らずだと思います。


本ではここからもっと深いところに話が進んで行きます。
人生が変わる! 無意識の整え方 - 身体も心も運命もなぜかうまく動きだす30の習慣 - (ワニプラス)




明日があるかも分からない今日という日。
大切に。
亡くなられた全ての皆様を悼み。
あの日を忘れないように。





by chikako-kokachi | 2016-03-11 23:56

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