理想のスーパーマーケット   

ある日のレッスンで、急に

「なるほどー理想のスーパーマーケットだ。。。」

と。すっごくまじめな顔で。


ショスタコーヴィチの小品。
16分音符のパッセージも指は動く。
リズムもなんとか。
最後まで止まることなく弾いてはいるのだけど。。。

なんだか曲がつまらなさそーに聴こえる。
そこでこの曲の細かいニュアンスをとびっきり美味しく、素敵なものづくしにして欲しい旨をお話しながら、そして弾きながら、私の変な?空想の世界へと時を進めました。

そしたら急に冒頭の一言。

私の頭は「?」
おかあさまの頭の中もたぶん「?」


良く話を聞いてみると、自分の理想のスーパーを創る、という「理想のスーパーマーケット」という授業が学校であるらしい。

ぴったりの言葉だなーと!
楽譜は1つなのに、弾く人によって全く違う空間が出来上がる。
それぞれの思い描く世界を表現して、自分の理想の空間を築いていく。

譜面が読めてくると、なんとなくそれを弾くだけで満足してしまいがちだけど、そこからが楽しい。ちょっと変な先生だけど、中学生のみんなの前でだって、色んな空想、妄想話をします。その曲の物語にどれだけ引き込んであげることができるのかが勝負。たいてい笑われるけど。(今のところどん引きされたことはない。。はず。。)この空想妄想話の後、びっくり。音が変わるのです。

みんなの空想話を聞くのも楽しいです。
もちろん口に出して話せない空想妄想だっていい。
理想のスーパーということは、きっと自分にとって「とびっきり」のスーパーなのです。
それは他人にとっての「とびっきり」とは違います。
どんな小さな曲だって、そんな「とびっきり」がつまった音楽だったら、キラキラした輝いたものになることでしょう。聴いてくださる方にもその想いが届くはず。

教えるってなんだろう。
教わることの方が沢山です。

きっとまだ本人が見つけていない引き出しを私が開けてはいけない。まずその引き出しの場所に気づいてもらえるように、ちょっとヒントをあげる。そしてその引き出しの開け方を一緒に考えていく。最後に本人が上手に開けるように。そしてその開けた引き出しの存在を忘れないよう、しつこく言い続けてあげること。これは忍耐力との勝負ですが、私の師もずっと、たぶん嫌になるくらい言い続けてくれました。何年かして、急に自然とその引き出しを上手に開けることができるようになるまで。


理想のスーパーマーケット。
最近自分が練習するときも、理想のスーパーマーケットになっているかの確認をしています。
生徒ちゃんのあの顔が忘れられない。
ありがとう!!!

by chikako-kokachi | 2014-10-28 10:59 | ピアノ講師

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