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ピアニスト&ピアノ講師 村田智佳子のブログ

ピアノ弾きの日常、想い、ロシアのこと、レッスンのこと、コンサートのことを綴っています♪

【本】今自分に必要な本に出会う。道を失いかけているあなたへ。〜私は牙のある画家になりたい。

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2年くらい前に、画家の小松美羽さんを知り、ファンになりました。
その絵に感動したり、言葉に感銘を受けたりしていました。






その美羽さんが本を出版されたということで、早速購入したのですが。
素晴らしく心に響きました。







買い物に行って、なんか分からないけれど、この洋服に惹かれる、ピンとくる、とか。
今日の夕食はこれが食べたい、とか。
初めてお会いしたのにそんな気がしない、とか。
有名、無名に関わらず、この人の音楽が、理由なく好きだとか。





理由はないけれど、心が惹かれる。





そんな感覚、ありますよね。笑




まさにこのタイミング。
この本と共鳴しました。
(と、勝手に思っているだけかもしれませんが。)





何かにくじけそうになっている方!
道を失いかけていらっしゃる方!
諦めたくない方!





そんな方々の大きな支えになりそうな本です。







二つほど。
自分の気づきを抽象的にですがまとめておきます。






この本には、少しスピリチュアルなお話があります。
私はそういうものを否定するでも肯定するでもありません。
今までも、そしてきっとこれからも。





でも、それが何か分からないけれど、そういう目に見えないパワーって音楽の中にもあるな、と経験から感じています。





そして、この本を読んで思いました。





無理やり創り込んだり、苦しみ抜いて悩み抜いて音にするより、もっと向き合う場所、感じる部分を変化させていったら、バリヤーが解けて、より音楽そのままの姿を音にすることができるようになるのかな、と。






次のステップへ進もうとしている自分の今と、重なりあうところがあるな、と強く思いました。
言葉にするのが難しいのですが。
この感覚を大事にしていったら、もう一歩先の世界が開けてきそうな予感がしています。






ガムシャラに進み続ける時間から、悩みぬく時間から、もっと解放された、もっと自然な音楽の姿へ。
自分が一生懸命になるだけでなく、もっと音楽の側からのエネルギーに向き合うこと。





さらに変なコになりそうですが笑
でも、この感覚、ピンときています。






もう一つは。
人との出会いです。
これはもう、お互いがお互いを呼び寄せているとしか思えない。
ひたすら諦めずに、後ろ向きになったりしながら、つまづきながら、それでもなんとか前を向こうと、歩もうと生きていると、ふと、そこに人との出会いが奇跡のようにつながるということ。





この本を読んでいてもそんな話題だらけだし、私の少ない経験からも、その通りだ、と自信を持って言えることです。






共感できることが多すぎで、数回電車で泣きました。
いつものように、残しておきたいフレーズを下記に並べておきます。







♪♪♪♪♪♪♪

魂が共鳴している人は。何がいいのかもわからずに、ただ作品を見つめていることもある。
(45ページ)
※絵にはもちろん、音楽にもありますね。





魂は成長する。聖なるもの、見えない世界とのつながりに想いを馳せれば馳せるほど、魂が成長する感覚が確かにあるから筆をとる。
私は、アートに特別な関心がない人や、普段は美術館に行かないという人にも、自分の作品を見てもらいたい。
なぜなら、魂を持たない人など、一人もいないから。
(45ページ)
※音楽もまさに同じだと思います。





「誰がなんと言おうと、どんどん行きなさい」
(97ページ)


私は家のインテリアとして映える、綺麗な絵を描いているわけじゃない。差別がなく魂が解放される、見えない世界を表現したいのだ。(108ページ)




日本の美大はアートを仕事にして食べていく方法を教えない。技術的なことはしっかり学べるけれど、画家になって活躍したいという夢を抱く学生は、アドバイスらしいアドバイスが誰からももらえないのではないか。(104ページ)
※音楽でもこれは重要。切実な問題。ここをいかに学生のうちから考えるかで、その先の未来は変わってくると思います。





先入観だけで人を分類しない方がいい。人も自分も、決めつけない方がいい。縁はどこからつながるかわからないし、魂レベルで見たら、みんな同じだと思うから。(110ページ)
※本の中で小松さんの死生観がよく表現されています。魂レベルではみんな一緒。その通りですよね。





「画家なら人を見ろ。人の生きざまを見て、感じたことを絵に描け」
「食費を削ってでも画材を買え」(118ページ)
※こういうことを言ってくださる人に出会えたこと。こういう人との出会いで人は成長していく、そう思います。





「神を表現するのに、神さまをそのまま描く必要はないと思います。」(小松さんの言葉 120ページ)



これから私は、見えない世界そのものを描くのではなく、私の絵を通して、みんなに見えない世界を見てもらうためだ。私の絵という、自分だけのちっぽけな心を超えた、大きな世界を知ってもらうのだ。私の絵は、みんなのための道具になる。(121ページ)
※すごい言葉。。






一つ階段をあがったら、すぐに次の段に行けるわけではない。
同じ段で足踏みしているのに、ちゃんと上っていると勘違いすることもある。
次の段が見つからなくて、途方に暮れることもある。
(124ページ)
※そんなことばかりであります苦笑






「版画家ではなく、アーティストになれ!」(130ページ)
※こんなことを言ってくださる方が側にいらっしゃる。この言葉、えらく心にきました。ピアニストではなく、アーティストでありたい自分の心を見つめなおしました。






私は作品に関わる人が、風土が、文化が、どういうものかを感じたい。ただ絵を描くのではない。そこにどんな祈りがあるかを受け取り、作品として描き出すことが私の役割だ。(154ページ)
※ピアノもそうですよね。ただ弾くだけでない。もっともっと奥がある。






「見える世界より見えない世界が大切だ」と思ってきた私だけれど、新しい挑戦で、楽しかった。(中略)
作風というのは、進化につれて変わっていくだろう。(162ページ)
※本当に、年齢とともに何かが変化している。生きているっていうことですよね。






一つ階段をあがったら、すぐに次の段に行けるわけではないと、この章の初めに書いた。だが、私は気づいたことがある。
次の段が見えていても見えていなくても、上り続けなければ、次のステージにはたどり着けない。
あなたが今、階段を上っているのなら、どうか上り続けてほしい。(170ページ)
※少し前に書き留めた箇所の対の箇所。この言葉を私も胸に強く刻みたい。






私自身、熱く戦いたい。謙虚でありたいが、意味のない謙遜はしない。
私は牙がある画家になりたい。(188ページ)
※一番心にきた言葉です。






「世の中には、小松さんより、絵のうまい人はいくらでもいる。でも、あなたの作品はそれを差し置いてユニークであり迫力があります。(中略)『ピカソがピカソであるように、小松は誰が見ても小松だ。』あなたの作品は、紛れもなくあなたそのものなんです」(195ページ)
※音楽にも通じる。紛れもなくそのひとの音楽。そういう一人になりたい。この後に続く文章も素晴らしかった。






メディアの露出を始めは快く思っていなかった。それがメディアというのも様々な人に作品を見てもらうためにの大切なツールだと捉えており、心から感謝している。(201ページ)
※作品よりも、TVなどに露出が増えるにつれ、自分そのものが注目されていることが嫌だった小松さんが、今ではそれに感謝している。それに繋がって画家の生き方に関して、面白いことをおっしゃっていました。長すぎてかけませんが。186ページあたりがとても面白かったです。今を大事にされている。





つまり、これからの人生は、人としてどう成長し、どう生きるかが、ますます重要になってくるのだ。
「あいつは、また面白いことをしている」と何歳になっても思ってもらえるような生き方をしたいと思っている。(202ページ)
※まさにその通りです。






「俺はお前のプロデューサーだ。プロデューサーは『いい』と思ったものを心の底から信じる。信じたものに本気になる。本気になって『これがいい!』という伝染病を広める。だから、プロデューサーってのは職業じゃない、仕事でもない。役割であり、使命なんだ。結果としてビジネスがが成立した時に仕事になって、人から『プロデューサー』と初めて言われるようになる。」(205ページ)
※高橋プロデューサーさんとの出会いの場面から、衝撃でした。出会うべくして出会ったお二人なのかもしれません。この言葉に目が滲みました。どれだけの信頼の上で成り立っている関係なのだろうかと。






自分が描いていて楽しいから、それだけの理由で無心に描いているし、他人の評価はどうでもいいと言う人もいる。私もそういう時期があったから否定するつもりはない。ただ、今の私は役割をまっとうすべく、人に見てもらうために絵を描いているから、たくさんの人に強い関心を持ってほしい。(206ページ)
※音楽にも色々な考え方がある。どこに到達したいかは時とともに変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。それでいいのだと思う。





お姉ちゃん、絵が変わったんだよ。昔のお姉ちゃんの絵は『みんなに知ってもらいたい』とか、自分を出すエゴみたいなところがあったけど、今は違う。お姉ちゃんの絵を見ていると、神社にきているみたいな感じがする。(211ページ)
※小さな頃からお姉さんの絵を見てきた妹さんの言葉。ものすごい。妹さんの感受性も。





成功とは、「成功するまでただひたすら淡々とやり続ける」ということなのだ。(215ページ)
※最近この言葉によく出会います。




肉体の快楽はお金が解決するかもしれないけれど、その肉体には限界がある。だからこそ魂を大切に考えていくことを、あなたに届けと祈り狛犬を描く。絵が魂の薬になるように。(224ページ)
※芸術と魂は切っても切れない何かで繋がっている。だからこそ、人が誕生してからずっと、そういうものが側にあったのだと思います。





192ページから196ページあたりではチームプレーについての記述が。
人の絆の強さが全面に出ています。
一人じゃできないことを、強い信頼を持ってして集まったチーム力で、ものすごい力を発揮できること。


♪♪♪♪♪♪♪


小松さんが昔座右の銘にしていた言葉が、この1つ前のブログにも書いた、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」



その偶然にもびっくりしながら。
(この一つ前のブログはこの本を読み終えた後書きました。というかこの本を読んで、昔自分が書いたブログをもう一度見直したのでした)




そしてこれからの座右の銘は、最後にご自身の言葉でまとめていらっしゃいます。
深く、思い溢れるご自身への叱咤。
言葉に力がみなぎっていました。




この本に今出会えたこと、今の私には必要なことだったのかもしれません。




世界の中で自分の役割を見つける 小松美羽著
(気になるかたは↓クリックするとリンクします)



by chikako-kokachi | 2018-04-14 22:49 | 本、映画、絵