【本】ピアニストの自伝から学ぶ 1, 永遠のピアノ シュ・シャオメイ〜文化大革命を生きたピアニスト   

読んだ本の情報は、どこかにアウトプットしていくとより記憶に残るようです。





夏は移動がいつもより多かったので、少し本の話題が多くなるかもしれません。
というか、書ききれない。苦笑
もしご興味ございましたらお付き合いいただけたらと思います!





2017年夏、本のテーマは




・ピアニスト自伝(エッセイ)
・時間術(時間の使い方)
・脳
・本





ピアニスト自伝からは2冊ご紹介できたら、と思います。
まず1冊目はこちら。








こちら、教えて頂いた本です^^
(ありがとうございます!!)





本を読んでいることを発信していると、本をご紹介していただけます。
とてもうれしいです!!
(どんどん教えてください!!)





中国のピアニスト、シュ・シャオメイさんの自伝。
中国の文化大革命期に生きたピアニストの生々しくリアルな人生。
目をつぶってしまいたくなるような、信じがたい事実。
家族とのこと。
文化革命期の音楽との向き合い方、そして革命後のその変化。





時代、国の歴史というものにおける人間の心情。
政治と音楽の関係。
一個人ではどうしようもない出来事。





「平和」と「音楽」
「時代」と「音楽」
「音楽」の存在
「人」との出会いの不思議





あらゆることを考えました。





30章ある中の一つの章題が気になりました。
(30というのはバッハの「ゴールドベルク変奏曲」からきているそうです)




1章から順にシャオメイさんは自分の人生を綴っていらっしゃいますが、26章目。




26. 四十歳から人生が始まる




シャオメイさんのキャリアの飛躍がちょうどこの歳からだったそうです。
それまでの人生を読んだ後にやっとたどり着いた場所。
人生何歳で何が起こるか分からない。
こうしたところにたどり着けた理由は、本を読んでいてもはっきりわかります。






もう一つ、本編に入る前の「アリア」より



なぜ西洋とはかけ離れた文化で育った中国人がバッハを奏でられるのかということだ。
この本をお読みになれば、ご理解いただけるものと信じている。



こうおっしゃっています。



バッハへの想い。
これに続いた文章が印象的でした。




さらに、中国の偉大な哲人、老子にも興味を抱いていただければと思う。
なぜなら、バッハと老子、この2人の賢人は似通っており、中国と西洋とい二つの文化が彼らによって結びつくはずだからだ。



と。




各章の頭には老子の言葉が添えられています。
とても美しいです。
一つ一つが心にジンときて、課題を与えられている気分になりました。





♪♪♪♪♪



いつものように、いくつか残しておきたい言葉を書き留めておきます。
沢山ありすぎて困るけれど。



ガブリル先生は、先生が音楽の解釈の二つの基本と見なしているものに集中する。
それらはフレーズ、そして曲との一体感だ。(240)




レッスン中のガブリル先生の言葉;



「ちょうど君が息つぎをする時のように手を上げるんだ。君は音楽の中に息を吹き込まなければならない」(240)

「寛大さは音楽家が持たなくてはならない最も大きな美徳だ」

「エネルギーはおなかの中に探しに行きなさい」




シャオメイさんがガブリル先生から理解した教訓。

一つの方法を究めることは、多くの作品を扱う技術を会得することに通じるということ。
つまり、限られた一つの主題を長い間掘り下げることで、重要な発見がされるだけでなく、すべての主題に応用できる方法も会得することはできるのだ。(245)



お父さんからの手紙より

日常から脱出する必要性、欲望やお金によって木を紛らわさない必要性、職業上の成功、あるいは名声を追い求めない必要性。いつも本来の自分でいなくてはならない。その時、人は道(タオ)に近づき、真実を見つけるのだ。(270)


音楽の意味を追求するとは、一つ一つの構成要素、つまり垂直性を吟味するよりも、曲それ自身が持つ、「全体的な流れ」すなわち水平性、方向性に身をまかせることがより重要だ。〜中略〜だからといって一つの作品を理解するうえで、垂直性および和声が本質であることが否定されるわけではない。(274)


※このページは深い。読み直し必須。


もうピアノと格闘しないことも学んだ。
ピアノは永久に友人だ。(274)


穏やかで控えめな態度、この無の境地と引き換えに、人は音楽の真実に到達し得るのだと思う。(276)


※このページは西洋と中国の思想の共通点のようなものが興味深く語られている。



時おり人生では、自分の最も無欲な行動から最も多くを刈り取ることができるのだ。(278)



演奏する前に頭を空っぽにする。
ちょうど良いテンポを探していると、呼吸が楽になり、楽譜にこもったあらゆる美しい音が聞こえ、曲想が自然に展開していく。(304)


良いテンポを探そうとするのは音楽においてだけではないはずだ。
人生においても良いリズムを見いだすことは大切だ。(304)


バッハにおける対位法で交錯する旋律は、私に書の世界を思い起こさせる。
典型的な中国芸術で、何よりもまず呼吸と瞑想の技だ。(305)


※この後、中国の思想とバッハのゴールドベルク変奏曲がリンクしている様が、美しい文章で綴ってある。そして最後にこの言葉であります。



終わりは始まりにつながる。
しかし異なるものなのだ。(308)



パン先生との会話が興味深かった(326)
※「混じり合う文化」について
※インドの作家 ラビンドラナート・タゴール「多様さを認識しなさい。そうすれば一つになれる」





完璧さなどは存在しないことを認めるのが賢明なのだろう。(333)



(コンサート)会場に着くと必ずその場所に挨拶する。(335)



※バッハのゴールドベルク変奏曲をコンサートで弾いた後、聴衆がアンコールを求めた時の一言


「バッハの後には何も演奏することはできません」(338)



人生とは、継続するものであり、変化するものであり、過去を振り返るよりも、その進化に身を捧げることこそがふさわしいということなのだ。(346)


※このページはこの人生を歩んできたシャオメイさんだからこその言葉。しみます。


私、そして収容所の仲間たちは、音楽、より広くは芸術を通して「生まれ変われた」おかげで、すべてを一新することができた。音楽は私たちに人間性を取り戻してくれた。(351)


※このページはずっと、ずっとすごい言葉が続きます。


音楽は、政治や宗教とは異なったやり方で人々を結びつける。
最も強いものとして、人間性への愛をもたらし、そのおかげで人はすべてを克服することが可能になるのだ。


音楽を演奏する時、人は無条件に自分を分け与える。
私にとっては、それが愛の定義だ。

音楽の力を用いて、どんなものであろうと人々に押しつけてはならないということを、文化大革命の経験から私は確信したと思う。

演奏しながら私が探しているのは、人々に語りかけること、聴衆に向かって何か言うこと、彼らに作品の持つ美のすべてを表現すること、彼らの心に触れることだ。(354)


音楽の真実は人間である。
大切なのなそこにいるすべての人〜演奏家だけでなく、聴いているすべての人たち〜である。(354)



成功というのは何ものでもない。(358)


演奏するために考えすぎるのをやめ、この本質的な自発性と無意識と再発見することが必要だ。なぜなら、その瞬間にこそ、他人や世界に潜在する精神的な生命力を迎え入れるのに必要な条件が満たされ、インスピレーションに触れることができるからだ。(358)


※この言葉、難しい。




※最後に日本語監修者のあとがきより。日本語訳も美しい著書でした。


彼女は「諦めず、努力し、耐えて闘い、自ら命運を開いたのだ」と思いました。(378)




♪♪♪♪♪

深いです。
ほんとうに。


この本を読んで、「ピアニストの自伝」に興味が湧きました。
人の生き方から学べること。
実際自分が生きる事のできる人生は1回。
だからこそ、他の方の人生を本を通じて知ることができるのは、貴重であると思います。




出会えて良かった本です。
本当に良かった。
また読み直します。
ありがとうございました!



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by chikako-kokachi | 2017-08-25 23:30 | 本、映画、絵

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