【本】ピアニスト小山美穂恵さん 点と魂と   

ピアニスト小山美穂恵さんの本


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こちらを読みきりました。




ずっと、ピアニストとアスリートは似ている、と漠然と思っていました。




精神面で共通点がある、と。




さらに、最近自分がピアノを弾くときの体の研究をしているのもあって、体の軸、体の使い方、といったところも、あらゆるスポーツに繋がっている感覚が強くなっています。





そこにきて、この小山さんの本。





2015年から雑誌「音楽の友」(音楽之友社)で「対談・脱力の極み」という連載をされていて、そこでトップアスリートの方とお会いし、対談されたそうです。





連載の後半では、対談のお相手も幅広い職業の方に繋がったそうで、女優の大竹しのぶさん、狂言師の野村萬斎さん、棋士の羽生善治さん、宇宙飛行士の山崎直子さん、バレエダンサーの熊川哲也さん、などなど。





いわゆる脱力的なこと、体のこと、あとは精神面のお話。





どの分野でも軸になっている部分は同じなのだと改めて思いました。




研究はつきない。。





小山さんの優しい語り口の文章。
分かりやすく、読みやすいです。
小山さんのピアノを生で聴いてみたいと思いました。
とても誠実な印象。
きっと奏でる音楽もそうなのだろうな、と。



♪♪♪♪♪♪♪



ここ半年位、ピアノ(楽器)との距離を変えてみました。
椅子の位置を少し離して、重心がもっと感じられる場所を探そうと。
体の感覚、変わってきました。





色々な意見があるけれど、やってみないと分からないことだらけ。





昔から私のピアノを聴いてくださっているピアニストの方が、少し前のホールの本番に偶然いらしていて、終わりに感想をいただきました。





「ちかちゃん、座る位置変えた?昔からあの距離だったっけ?」





うれしいです^ ^
気づいてくださる方がいる。
ひとつご意見も頂いたので、それも考えながら、研究は続く、です。




全て音楽の為に。
挑戦してみる。


♪♪♪♪♪♪♪



小山さんは本の中でおっしゃっています。



トップアスリートの方たちは変化を怖れません。
長年にわたって実績を上げてきた方法があっても、よいと思うものはまず試してみる。
リスクを承知で挑戦し、たとえそれが失敗に終わっても、すぐに気持ちを切り替えて、次の試合に向かう。
「安心だから」と、昔と同じことを続けていてはいけないのです。
小さい頃に習った恩師の教えは大切です。
ですが、ものの感じ方や身体的な機能は、日々変化していきます。
スピードスケート 岡崎朋美さんとの対談より





♪♪♪♪♪♪♪


下記、いくつか自分のメモとして印象に残った言葉を挙げておきます。
あ〜まだまだ、まだまだ!!






試合も、コンサートも、決められた日の決められた時間に、自分の力を発揮しなくてはならない。
スキー 原田雅彦さんとの対談より






技術だけでは感動は生まれません。
大好きなこと、心からやりたいと願うことがあり、出したい音、伝えたい想いがある。
それを実現するために「スイートスポット」を見つけるのであって、その逆ではない。
マラソン 高橋尚子さんや女優 大竹しのぶさんとの対談より






一回の舞台に全てを賭け、芸術のさらなる高みをどん欲に目指そうとされてる生き方に、深い共感を覚えました。
狂言師 野村萬斎さんとの対談より






なぜ狂言をやっているのか
悩み続け、だんだん悩むのを諦めた。
お客さんが満足すれば「今日狂言をやった意味があった」といえるのではないか。なぜ自分がやらなければいけないかは、その日の舞台で照明すればいい、やっとそういう風に思えるようになった。
狂言師 野村萬斎さん







脱力はエコ。
エコだからこそ体の負担は軽くなる。
野球 工藤公康さんとの対談より







工藤サンは日常のなにげにもののなかに大切なものを見つけられる。
そしてすぐに自分のなかに取り入れて、活かしてゆかれる。
身のまわりすべてのことが野球人生に役に立つ。
普段の生活に発見がある。




忙しくとも睡眠をたっぷり取って、自己管理を徹底する。




素直であること、つまり心の脱力ができていることは、一流選手の特徴でもあるようです。
コーチに言われたことを素直に信じてがんばれる人が強くなれる。自分の悪いところを認めなければ、前にはすすめませんから
シンクロナイズドスイミング 奥野史子






ちょうどいい加減で力が抜けたのが「良い緊張」で、そういう場合は身が引き締まる。
それに対して、「悪い緊張」はからだがこわばる。
プロ棋士 羽生善治






経験を積むと集中できる時間が長くなり、それに比例して強くなれます。でも、集中するとだんだん我を忘れてしまう。難しいことですが、そこで平常心を保ことが大切なのです。
プロ棋士 羽生善治






演奏のときは肩甲骨から、もっと言えばお腹から弾いているのです。
体幹を意識して演奏することは、とても大切なことなのです。



ピアノの練習は、弾けるようになる努力とからだを上手に使う努力、どの両方をしなければいけないと思います。





演奏中の私の体が「馬型」「豹型」の二種類だったと言われたのです。
それ以来、「馬」のように直線的に力を伝える動きと、「豹」のように曲線的に力を移動させる動きなど、動物的な感覚でからだを感じてみようと意識するようになりました。
スポーツ科学専門 小林寛道東京大学名誉教授との対談より





武術では「残心」が大事です。うまい人には流れがある。ひとつの技をやって終わりではなく、すぐに次の構えに入る。




普通に歩くことはできるけれど、美しく歩くことが難しいように、なんとなく弾くことができても、美しく弾くことがとても難しい。
バレーダンサー熊川哲也さんとの対談より





どんな苦悩があったとしても、「生きる」ということは、希望や喜びにあふれている。
そして、音楽とは本来、人間の心に希望や喜びを与えるものだった。




楽器と人体になんとも言えない一体感が現れる。そういうとき人体は楽器の一部になっているのですよ
医師 日野原重明






「演奏家と聴き手が一体になること」の重要性




大切なのは、理想を追い求める強い気持ちだということ。
魂が音楽をつくるのだと思うのです。
ほどよく力を抜いて、気持ちを込める。
いつの日か、自分という存在を超越して、無になって演奏をしたい。
(順不同)








by chikako-kokachi | 2017-07-13 07:37 | 本、映画、絵

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