映画「ミルピエ〜パリオペラ座に挑んだ男〜」〜伝統と新しいこと〜
2017年 01月 25日
年末に、映画「ミルピエ〜パリオペラ座に挑んだ男〜」を観てきました。
今年は観たいと思った映画をなるべく劇場でみる!
そんなことも一つの目標です。
史上最年少であのパリオペラ座の芸術監督に抜擢されたのが、バンジャマン・ミルピエ。
ミルピエさんは、映画「ブラックスワン」の振り付け師でした。
そして奥様は女優ナタリーポートマン。
この映画では、芸術監督であるミルピエさんが手掛けた新作発表までの40日間を密着しています。
くだくだと感想を並べても、うまく表現できないので、印象に残ったことを2点書いておこうと思います。
♪伝統と革新
この舞台に出演するダンサーは、伝統的な階級制度を越え、若手ダンサー達から抜擢。そしてオペラ座史上初めて、黒人ハーフダンサーを主役に抜擢。
斬新な改革に、当然、反発や不満が起こる。
伝統を守り繋いでいくことの意味と、新しい改革の狭間。
ダンサーの為に床の材質(?)を変えるような指示、ダンサーの為に医師のサポート体制を強化するような指示。次々と新しいアイディアを発進しているその姿、私にとってはとても爽快でした。
新しいことをするには、多くの反発が避けられません。
でもその衝突がないと、いつまでたっても何も改革していけない。
それを映画からまざまざと感じました。
改革していくには、自分を信じ、誠意と覚悟を持って前に進まないといけない。
よく考えてみたら、人の世は、どの分野でも、いつの世でも、この問題を抱えているのかもしれません。古き良きものを守る人、そしてそこに新しい風を吹き込む人、その衝突があるからこその今の世の中であり、その衝突があるからこその未来なのかもしれません。
♪「エゴイストになれ!」
様々な困難を乗り越えて、初日の舞台。
その前にミルピエがダンサー達に言った言葉です。
昔、恩師に
と言われたことを思い出しました。
舞台に立つものは、それまでに多くの時間をかけて、その作品と向き合います。
もちろんそれはその作品(芸術)の為であり、その作品を観にきてくださる方々の為であるのは百も承知です。一般的に“自分の為に”表現することは、エゴイストとされ、あまり良しとされない言葉でもあります。
でも、最後に舞台に立つのは自分です。
自分を信じて、“自分の為に”表現する。
それくらいの自信がなくては、あの眩しい光のあたる場所で、多くの方々の前で演奏することなんてできません。
もちろん、それはそれだけ沢山の時間をかけ、全てをその作品に注ぎ込んできたダンサー達のことを知っているからこその言葉であり、ただの“エゴイスト”にはならないことを確信できるからこそ言える言葉だと思います。若いダンサー達は、この言葉でどれだけ自分の内側にある情熱を刺激されたことだろう!と想像したら、こちらもこみ上げてくるものがありました。
私は“エゴイスト”という言葉を否定的な言葉としてとらえるしか選択肢を持っていませんでした。(そこにも理由があります。いつかブログに書こうと思っています。)なので、このミルピエ氏のこの言葉に、救われました。
いつも長くなります(汗)
最後にします。
上記2点を印象に残ったこととして挙げましたが、映画を見終わった後、すぐ感じたのはこれです。
何よりも、芸術にかける情熱、創造に向かう飽きのない好奇心、探究心。
伝統とか改革とか、そういう問題より前にあるもの。
それはたったひとりの人間の情熱と探究心が、世の中を変えていく、ということです。
人の力ってすごいな。
踊りのシーンはぞくぞくします。
まだこちらの映画館で上映しているようです。
この舞台の数ヶ月後、ミルピエ氏は芸術監督を退任しました。
この現実をどうとらえるか。
人はそれぞれの立場で、それぞれの意見がある。
真実は1つ、解釈は無数。
だんなさんから教えてもらった魔法の言葉です。笑
今年は観たいと思った映画をなるべく劇場でみる!
そんなことも一つの目標です。
史上最年少であのパリオペラ座の芸術監督に抜擢されたのが、バンジャマン・ミルピエ。
ミルピエさんは、映画「ブラックスワン」の振り付け師でした。
そして奥様は女優ナタリーポートマン。
この映画では、芸術監督であるミルピエさんが手掛けた新作発表までの40日間を密着しています。
くだくだと感想を並べても、うまく表現できないので、印象に残ったことを2点書いておこうと思います。
♪伝統と革新
この舞台に出演するダンサーは、伝統的な階級制度を越え、若手ダンサー達から抜擢。そしてオペラ座史上初めて、黒人ハーフダンサーを主役に抜擢。
斬新な改革に、当然、反発や不満が起こる。
伝統を守り繋いでいくことの意味と、新しい改革の狭間。
ダンサーの為に床の材質(?)を変えるような指示、ダンサーの為に医師のサポート体制を強化するような指示。次々と新しいアイディアを発進しているその姿、私にとってはとても爽快でした。
新しいことをするには、多くの反発が避けられません。
でもその衝突がないと、いつまでたっても何も改革していけない。
それを映画からまざまざと感じました。
改革していくには、自分を信じ、誠意と覚悟を持って前に進まないといけない。
よく考えてみたら、人の世は、どの分野でも、いつの世でも、この問題を抱えているのかもしれません。古き良きものを守る人、そしてそこに新しい風を吹き込む人、その衝突があるからこその今の世の中であり、その衝突があるからこその未来なのかもしれません。
♪「エゴイストになれ!」
様々な困難を乗り越えて、初日の舞台。
その前にミルピエがダンサー達に言った言葉です。
「エゴイストになれ!」
「自分の為に踊れ!」
昔、恩師に
「舞台の上では自分をクイーンだと思うのよ!」
と言われたことを思い出しました。
舞台に立つものは、それまでに多くの時間をかけて、その作品と向き合います。
もちろんそれはその作品(芸術)の為であり、その作品を観にきてくださる方々の為であるのは百も承知です。一般的に“自分の為に”表現することは、エゴイストとされ、あまり良しとされない言葉でもあります。
でも、最後に舞台に立つのは自分です。
自分を信じて、“自分の為に”表現する。
それくらいの自信がなくては、あの眩しい光のあたる場所で、多くの方々の前で演奏することなんてできません。
エゴイストになれ
もちろん、それはそれだけ沢山の時間をかけ、全てをその作品に注ぎ込んできたダンサー達のことを知っているからこその言葉であり、ただの“エゴイスト”にはならないことを確信できるからこそ言える言葉だと思います。若いダンサー達は、この言葉でどれだけ自分の内側にある情熱を刺激されたことだろう!と想像したら、こちらもこみ上げてくるものがありました。
私は“エゴイスト”という言葉を否定的な言葉としてとらえるしか選択肢を持っていませんでした。(そこにも理由があります。いつかブログに書こうと思っています。)なので、このミルピエ氏のこの言葉に、救われました。
いつも長くなります(汗)
最後にします。
上記2点を印象に残ったこととして挙げましたが、映画を見終わった後、すぐ感じたのはこれです。
何よりも、芸術にかける情熱、創造に向かう飽きのない好奇心、探究心。
伝統とか改革とか、そういう問題より前にあるもの。
それはたったひとりの人間の情熱と探究心が、世の中を変えていく、ということです。
人の力ってすごいな。
踊りのシーンはぞくぞくします。
まだこちらの映画館で上映しているようです。
この舞台の数ヶ月後、ミルピエ氏は芸術監督を退任しました。
この現実をどうとらえるか。
人はそれぞれの立場で、それぞれの意見がある。
真実は1つ、解釈は無数。
だんなさんから教えてもらった魔法の言葉です。笑
by chikako-kokachi
| 2017-01-25 07:40
| 本、映画、絵